3月11日の世界一受けたい授業に出演される柳沢正史教授についてピックアップしていきます。
「ねむけとは何か」の解明を目指し、人間における睡眠の意味を追求されている第一人者です。
では柳沢教授という方は一体どのような方なのか、見ていきましょう!
柳沢教授のプロフィール

名前 | 柳沢正史(やなぎさわまさし) |
生年月日 | 1960年5月25日 |
年齢 | 62歳(2023年3月時点) |
出身地 | 東京都練馬区 |
職業 | 医学者および医師 |
趣味 | フルート演奏、クラシック音楽 |
宗教 | キリスト教信者(大学院2年生時に洗礼) |
何した人?
・内皮由来血管収縮因子「エンドセリン」の発見
・睡眠覚醒を制御する神経伝達物質「オレキシン」の発見
柳沢教授の主な経歴・受賞歴・論文
経歴
- 1979年 武蔵高等学校卒業、筑波大学医学専門学群入学
- 1984年 オーストラリア・ニューカッスル大学短期留学
- 1985年 筑波大学医学専門学群卒業、同大大学院進学、岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所派遣(1986年まで)
- 1988年 筑波大学大学院医学研究科 博士課程修了(医学博士)
- 1989年 筑波大学基礎医学系薬理学 講師
- 1991年 京都大学医学部第一薬理学 講師
- 1991年 テキサス大学サウスウェスタン医学センター 准教授 兼 ハワードヒューズ医学研究所 准研究員
- 1996年 同大学 教授 兼 同研究所 研究員 (2014年3月まで)
- 1998年 The Patrick E. Haggerty Distinguished Chair in Basic Biomedical Science, UTSW
- 2001年 JST/ERATO「柳沢オーファン受容体プロジェクト」総括責任者(2007年3月まで)
- 2010年 内閣府 最先端研究開発支援プログラム(FIRST)中心研究者(2014年3月まで)、 筑波大学 教授兼任
- 2012年 文部科学省 世界トップレベル研究拠点プログラム 国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)機構長
- 2014年 テキサス大学サウスウェスタン医学センター 客員教授
- 2017年 スタートアップベンチャー企業「S’UIMIN」起業
- 2021年 ムーンショット型研究開発事業プロジェクトマネージャー
2018年にはクラウドファンディングサイトのREADYFORにて研究における寄付金の募集を行っていたようです。
目標金額の300万円とされておりましたが、無事達成されて約350万円の寄付を集められています!
プロジェクト内容は「働く世代約1000人を対象に、大規模な睡眠調査を実施」とのことでした。
受賞歴
- 1990年 茨城県科学技術振興財団 つくば賞
- 1997年 Robert J. and Claire Pasarow財団 Medical Research Award
- 1998年 国際腎臓学会 The Donald Seldin Award
- 1998年 米国薬理学会 The J. J. Abel Award
- 1998年 米国心臓学会 The Novartis Award
- 1998年 The Kilby Awards 財団 The Kilby Award
- 1999年 米国生化学・分子生物学会 The Amgen Award
- 2000年 ブレインサイエンス振興財団 塚原仲晃記念賞
- 2000年 東京テクノフォーラム21 ゴールドメダル賞
- 2001年 ノボノルディスク財団 The Jacobæus Award
- 2003年 米国科学アカデミー正会員に選出
- 2003年 Bristol-Myers Squibb Achievement Award in Cardiovascular Research
- 2006年 米国睡眠学会 Outstanding Scientific Achievement Award
- 2012年 The Ulf von Euler Lecture, Karolinska Institutet
- 2013年 日本心血管内分泌代謝学会 高峰譲吉賞
- 2015年 米国生理学会 The Walter B. Cannon記念賞
- 2016年 紫綬褒章受章
- 2016年 認定NPO法人日本ホルモンステーション 松尾賞
- 2017年 ベーリンガーインゲルハイム社 エルウィン・フォン・ベルツ賞
- 2018年 2017年度朝日賞(朝日新聞文化財団)
- 2018年 第23回慶應医学賞(慶應義塾医学進行基金)
- 2019年 高峰記念第一三共賞(第一三共生命科学研究振興財団)
- 2019年 文化功労者
- 2022年 時実利彦記念賞(日本神経科学学会)
- 2023年 生命科学ブレイクスルー賞
2016年には紫綬褒章を受章されています。
以下は紫綬褒章を受章されたことのある方々(一部)です。
- 平野歩夢:(2022年)スノーボード
- 水谷隼:(2021年)卓球
- 国枝慎吾:(2021年)車いすテニス
- 羽生結弦:(2014年褒章、2018年飾版) フィギュアスケート
- 内村航平:(2012年褒章、2016年飾版) 体操
- 羽生善治:(2018年)将棋
- 秋元康:(2022年)作詞家
- 山中伸弥:(2008年)東京大学教授、医学者

確保方面で活躍された方々が受章されています。
そのため、柳沢教授は睡眠という分野の研究において多大なる貢献をされたことが分かりますね!
また、2019年には文化功労賞も受賞されており、同じ年の受賞者としてはリチウムイオン二次電池でノーベル化学賞受賞の吉野彰さんも受賞されています。
柳沢教授も同様の功績を挙げられていることを考えると、ノーベル賞受賞候補と期待されていると考えられます。
論文
- Kinase signalling in excitatory neurons regulates sleep quantity and depth. Nature 612: 512-518, 2022
- A signaling pathway for transcriptional regulation of sleep amount in mice. Nature 612: 519-527, 2022
- Induction of mutant Sik3 Sleepy allele in neurons in late infancy increases sleep need. Journal of Neuroscience, 41, 2733-2746, 2021
- Quantitative phosphoproteomic analysis of the molecular substrates of sleep need. Nature, 558, 435-439, 2018
- Forward-genetics analysis of sleep in randomly mutagenized mice. Nature, 539, 378-383, 2016
題目を見ただけでは一般人では到底内容が理解できないように見えます。。。
基礎研究というものは根本についての研究になるので、難しい内容を研究されているのは当然ですよね。
やはり柳沢教授は睡眠オタクなのかもしれません!
柳沢教授の睡眠研究に対する考え
2017年度朝日賞を受賞した際に、柳沢教授は以下のようにコメントしています。
私の研究者としての姿勢は筑波大学大学院時代の恩師,真崎知生先生から最初に学びました。その真崎先生も1991年度に朝日賞を受賞しており,その賞を受賞できたことは二重の喜びです。私の座右の銘は「真実は仮説より奇なり」。オレキシン研究の展開がまさにその好例です。当初,まさかオレキシンが睡眠に関係しているとは思ってもいませんでした。科学の仮説とは,しょせん人間が小さな頭脳で考えたストーリーにすぎません。目の前のデータがすべてで,自分の仮説をその上に置くことは許されないことなのです。さらに,「良い問いを見出すことは,問いを解くことより難しい」ということも肝に銘じています。科学の価値は,「新しいことを知ることそのもの」にあります。科学とは,「役に立ってなんぼ」のものではありません。
引用:筑波大学
睡眠研究では,良い問いを見出すことができたと思っています。「眠気」とは何か,「なぜ眠らなければならないか」という問いです。これまでの研究成果は,まだその出発点にすぎません。今後10年でさらに発展させられるよう頑張ります。
また、睡眠には2つの大きな謎があるとのことです。
・どうして我々は眠らなければいけないのか
・眠気とは何なのか
睡眠の基礎研究とは、上記のような根本的な謎に挑み続けることのようです。
柳沢教授は臨床医師になる道もあったとのことですが、結局は基礎研究の道に進まれたそうです。
まとめ
柳沢教授はひたすらに睡眠についての基礎研究を続けられてきた生粋の睡眠オタクという見方ができそうですね!
今後も睡眠についての研究を進められ、不眠障害や睡眠の意味について解明されていくことでしょう。
いつの日かノーベル賞も受賞されるかもしれません。
今後の柳沢教授の活躍に期待していきましょう!
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