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2010年 12月25日 沖縄県知事選、そして菅首相の沖縄訪問
  文・写真 浦島悦子

宜野湾市長選では安里さん勝利

基地反対の大きなうねりは変わらない
 60・88%という史上二番目の低い投票率、4万票近い票差は二重のショックだった。

 現職の仲井真弘多氏と前宜野湾市長・伊波洋一氏との実質的な一騎打ちとなった今回の沖縄県知事選は、どちらが勝っても僅差と言われていたが、実際には、前回知事選(仲井真弘多氏VS糸数慶子氏。投票率64.54%)の3万7千票余よりも、さらに票差を広げる結果となった。その要因は何だったのか。

 投票率の低さは、民主党政権の度重なる裏切りと頻発する不肖事、支離滅裂な政権運営に対する県民の強い不信感を表すものだ。選挙戦中、各地域で「民主党への不信が伊波支持を妨げている」という声が度々上がった。

 そんな状況を見極めつつ、普天間飛行場の辺野古移設容認派だった仲井真氏に選挙直前になって「県外移設」を公約させ、シンボルカラーまで同じにして争点をぼかし、投票率を低く抑えることに腐心した同陣営(とりわけ選対本部長を務めた翁長雄志那覇市長)の戦術勝ちだったと言える。

 多くの人が、ビラを含め仲井真陣営の動きがほとんど見えず、あまりにも静かで気味が悪いと感じ、「職場で選挙協力をお願いしたら、どちらも県外移設と言っているから投票に行く必要はないと言われた」という話も聞いた。低い投票率に加え、投票総数の20%を超える史上最多の期日前投票で、仲井真陣営はその組織力を見せ付けた。

 しかしながら基地問題に関する限り私たちは敗北したとは思っていない。稲嶺進名護市長が「名護からのうねりが、仲井真さんを県外移設と言わざるを得ないところまで追い込んだのは大きな成果だ」と語ったように、仲井真知事が圧倒的な県民世論に背を向けて「県外移設」の公約を覆すのは、菅政権が期待するほど簡単ではない。県知事選と同時に行われた宜野湾市長選で、伊波前市長の後継者である安里猛氏が自民・公明推薦候補を破って当選(こちらの投票率は前回を7%近く上回る67.13%)したのは、基地問題をはじめ子育てなど市民生活全般にわたる伊波市政への評価だ。

 いささか気になるのは、「尖閣諸島を守れ」「辺野古移設賛成。県外移設は国を滅ぼす」などと主張した幸福実現党の金城竜郎氏が1万3千余を得票したこと。泡沫候補と侮らず、特に若者たちの政治不信が極右・ファシズムへと流れないよう監視していく必要がある。
日本ジャーナリスト会議の機関紙『ジャーナリスト』2010年12月号に掲載されたものです。

オール沖縄の民意に逆行

菅首相が理解求め来沖

 「空きカンを叩け〜!」「沖縄の怒りを鳴らせ〜!」掛け声とともに激しく打ち鳴らされる空き缶や一斗缶の音が冬空に響く。今年いちばんの冷え込みと言われた17日朝から、日本政府の沖縄への仕打ちにも似た寒風が吹き付ける沖縄県庁前に、(「(中身のない)空きカン」と揶揄される)菅直人首相来沖に抗議する県民が次々と集まり、庁舎入り口に通じる道路沿いで「菅首相は来るな!」と声を上げた。

 県民の「怒」に迎えられた5月の鳩山前首相来沖時よりさらに強化された沖縄県警の過剰警備が、あちこちで県民とのトラブルを引き起こした。6時間以上の抗議行動を続けている県民の前を、警察とSPの分厚い盾に守られた(何から?)菅首相が県庁舎に入ると、鳴り響く缶の音と「日米合意を撤回せよ!」の声はいっそう激しさを増し、それは仲井真弘多知事との会談場まで届いたという。

 11月28日に行われた県知事選で「県外移設」を公約にして当選した仲井真知事は、菅首相が「辺野古はベストではないかも知れないがベター」と「日米合意への理解」を沖縄に求めたのに対し、「県内はすべてバッド」「(首相は)勘違いしている」と述べた。

 名護市長選・市議選、県知事選で示されたオール沖縄の意思に逆行する「基地押し付け」、仙谷由人官房長官の「甘受」発言(沖縄県民に基地を甘受していただく)など、日本政府の沖縄差別は目に余る。菅首相が理解を求めるべき相手は沖縄ではない。彼がなすべきは、日米合意は履行不可能であることを米国に理解してもらい、撤回を求めることだ。
『週刊金曜日』12月24日号に書いた原稿です。同誌では紙面の都合で若干短縮して掲載されています。
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