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2008年  1月20日 テーマ 島全体破壊する代替施設  海砂採取で海岸線全滅
        ヘリ基地いらない二見以北十区の会 共同代表 浦島悦子
 
 1月11日に行われた普天間飛行場代替施設のアセス方法書に関する沖縄県環境影響評価審査会を傍聴して、私は大きなショックと危機感を覚えました。建設予定地域に住む住民の一人として、日米で合意した「2014年までの施設完成」を至上目的とし、地元住民の暮らしや自然環境への配慮など微塵も感じられない防衛局の説明に愕然とし、怒りを押えることができませんでした。

 代替施設の建設が地域の自然環境や生活環境にどんな影響を与えるかを調査し、評価するのが環境影響評価(アセス)であり、審査会は、それらの調査や評価の方法が適切であるかどうかを審査する場であるにもかかわらず、事業者である沖縄防衛局が「大量・急速な施工が必要となる」と繰り返し、ひたすら工事を急ぐ姿勢を示したことに、審査会委員の方々からも批判が相次ぎました。

 大浦湾のユビエダハマサンゴの群落やクマノミのコロニー、大浦川や辺野古川の河口生態系を全滅させる作業ヤードの埋め立て、辺野古ダム周辺の水源涵養林からの土砂採取など、どれをとっても恐ろしい内容ですが、なかでも私がいちばん危機感を持ったのは、代替施設の埋め立て工事に使う大量の土砂の大部分を沖縄島周辺の海砂の購入でまかなうと想定していることです。埋立に必要な2100万立方メートルの土砂のうち海底から採取するという1700万立方メートル、ダンプカーで約340万台分の土砂は、沖縄島の全海岸線が平均1メートル後退するほどの量だと聞き、私の脳裏にある光景が思い出されました。

 私の近隣にあるK集落は、昨年の台風4号で甚大な被害を受けました。集落の中まで波と土砂が襲い、行政の手を借りても復旧するまでに2週間以上かかりました。どんなに大きな台風が来ても、こんな被害は過去になかったことで、近年まで集落前のリーフ外で行われていた海砂採取の影響ではないかと人々は噂しています。数年に渡って続けられた海砂採取によって集落前の浜は大きく削り取られ、ウミガメの産卵場所が失われたばかりか、海岸に近い海底の海草藻場(国の天然記念物であるジュゴンの餌場)も攪乱・破壊され、減少してしまいました。

 防衛局は審査会の中で「適法に採取した海砂を購入するので問題はない」と言いましたが、適法な採取であっても、このようにすでに大きな被害が出ているのです。

 沖縄の島は陸地部分だけでなく、島を囲む海、リーフからイノーを含む全体がひとつの島嶼生態系をなしています。それを破壊することは島全体を、そしてそれに依拠した私たち人間の暮らしを破壊するということを、防衛局は肝に銘じて欲しいと思います。建設予定地域のみならず沖縄島そのものを滅ぼす危険性を持ったこの恐るべき計画をとりやめるよう防衛局に要請するとともに、この島と県民の暮らしを守るために、沖縄県は防衛局に対し根本的な見直しを要請してくださるようお願いいたします。



この文書は、「沖縄タイムス」の「論壇」に投稿し、1月17日に掲載されました。
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