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2007年 10月 9日 テーマ 環境アセス方法書に対する私の意見書
      ヘリ基地いらない二見以北十区の会 共同代表 浦島悦子
 新基地建設に関する環境アセス方法書に対する意見書を縄防衛局に提出しました。私個人のものですが、自然環境についての専門的なことなどは専門家の方にお任せし、地元住民の立場に特化して書きました。よろしければ読んでみてください。
普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価方法書に対する意見書
2007年9月25日
沖縄防衛局長 様
住所 ○○○○
氏名 浦島悦子
 環境影響評価法第8条の規定に基づき、建設予定地域住民の1人として、自然環境および生活環境保全の立場から、次の通り意見を提出します。


1) この環境影響評価(アセス)方法書は方法書としての要件を欠いており、認められません。この方法書を撤回し、やり直してください。その理由は以下の通りです。

@ 1997年12月の名護市民投票において、当時の計画であった「撤去可能な海上ヘリポート」に対し、那覇防衛施設局をはじめとする政府の硬軟取り混ぜた前代未聞の圧力にもかかわらず、名護市民の過半数が反対の意思を明確にしました。それに代わって打ち出された「辺野古沖軍民共用空港」は地元住民をはじめ県民・国民のねばり強い反対行動、反対世論によって頓挫し、見直しを余儀なくされました。現在のV字形沿岸計画について、私たち地元住民をはじめ名護市民は一度も事業者から意思を問われたことはありませんが、世論調査では反対がはるかに上回っています。

 普天間代替施設建設計画が持ち上がってから10年以上が経過した現在まで建設のめどが立っていないという事実は、この計画が民意に支持されていないことを示しています。にもかかわらず、「事業の目的」の中には本施設の必要性や立地選定の経緯について何らの説明もありません。したがって、事業者はまず、それらについての理解が得られるよう説明責任を果たすべきです。

A 事業の内容とは、公有水面の埋め立てや、飛行場及びその施設の設置だけでなく、施設が完成したあとの運営、使用(存在、供用)を含みます。しかし、ここではそれがほとんど不明です。使用する機種、訓練のための飛行ルート、飛行回数、飛行時間、また、維持管理の仕方(機体洗浄のための化学薬品や廃水などが海洋汚染を引き起こすことが懸念されます)など、地元住民の生活や、予定地海域を主な生息域とするジュゴンなどの野生生物に著しい影響を及ぼす事業内容が不明であれば、予測・評価のしようがなく、アセス方法書として成り立ちません。使用するのは米軍だからと言うのなら、米国を事業者に加えて事業内容を明らかにさせ、その上で方法書を出し直すべきです。

B この方法書には、事業予定地域及び海域の特性についての認識が決定的に欠けています。辺野古・大浦湾海域は、絶滅に瀕した日本のジュゴンの最後に残された生息域の中心であり、その環境の劣化は近い将来の絶滅につながる可能性が極めて大です。同海域はまた、沖縄島東海岸のサンゴや海草藻場の種苗供給地となっていることが専門家から指摘されており、沖縄県の「自然環境保全指針」においても、厳正に保全すべき「評価ランク1」に分類されています。海域と地域住民との関わりも深く、「海の畑」「天然の銀行」として生活圏の一部となっています。陸域には、その海の恵みで生きてきた先人たちの遺跡、埋蔵文化財がたくさんあります。このように、もっとも保全すべき場所にあえて事業を行なう必要性と、評価・保全の基準や目標がまったく示されておらず、その基準や目標を達成できない場合のゼロ・オプション(事業を白紙に戻す選択肢)がないことは極めて不当です。

C 飛行場本体に加え作業ヤードの設置が計画されていますが、設置予定場所はいずれも、生態系にとっても地域住民の生活にとっても重要な場所です。私は大浦湾周辺に住んでいますが、大浦湾西岸海域の作業ヤード予定地が大浦川の河口に位置し、湾中央海域の海上(海底)ヤード予定地が貴重なハマサンゴ群落やクマノミ生息地に位置していることに大きなショックを受けました。マングローブ帯を持つ大浦川は浄化された河川水を大浦湾に供給し、サンゴをはじめとする海域生態系を健全に保っていますが、河口部が埋め立てられればその機能は失われ、また貴重な沿岸生態系も壊されてしまいます。大浦湾中央部は地元漁民の大切な漁場でもあり、影響は大です。にもかかわらず、具体的なことは何ら示されておらず「今後検討します」とだけ書いてあるのは、極めて不適切です。

D この方法書の中で、「人と自然との触れ合いの活動の場」として観光施設やレクリエーション施設のみがあげられているのは見識を疑います。これらはすべて人工物であり、ここで、本来の意味での人と自然との触れ合いができるとは思われません。また、海岸線の利用についても、海水浴やキャンプ、釣りなど、いわば非日常の使用についてしか書いてなく、私たちは休みのとき、あるいは遊びに行くときしか自然と触れ合わないのだろうかという疑問をぬぐえません。すなわち、この方法書においては、「自然」あるいは「人と自然との関係」のとらえ方が根本的に間違っており、このような間違った認識で環境影響評価が行なわれることは地域住民としてとうてい納得がいきません。地域住民は太古の昔から、海や山の自然の中で、自然の恵みに支えられて生産し、生活し、遊んできました。自然は外在的に触れ合うものではなく、地域住民の生きる基盤そのものです。自然を離れて私たちは一日も暮らしていくことはできず、自然との触れ合い(関係)は日常的なものです。歴史的な人と自然との関わりについては地域誌である『辺野古誌』(辺野古区発行)や『久志誌』(久志区発行)にも詳しく書かれています。地域の伝統行事における山や海との関わりも極めて深く、海・山を含む自然が人々の精神的な支えになっていることがわかります。また「景観」は、単なる景色ではなく、地域住民の精神を育むものであり、それが変化したり破壊されることによる精神的影響は多大です。このような人と自然との密接で日常的な関係が事業によってどんな影響を受けるのか、という私たち地域住民にとってのもっとも切実な関心事(私たちは生活基盤が破壊され、この地域に住めなくなるのではないかという不安に怯えています)が、まるで些末的なことであるかのように扱われている方法書は極めて不適切であり、根本的に見直すべきです。


2) 現在、辺野古・大浦湾海域で強行されている環境現況調査(事前調査)を直ちに中止してください。その理由は以下の通りです。

@ アセス手続きを経ることなく、専門家や住民、地方公共団体の意見を聞かずに事業者が勝手にやる調査に国民の血税を使うことは許されません。まして、それに反対する市民・県民を威嚇するために海上自衛隊まで投入し、でたらめな調査で貴重な海域生態系を攪乱した防衛省の責任は重大であり、謝罪を求めます。

A 防衛省自ら「アセスとは関係ない」と言って強行した事前調査を「アセスに反映させる」ことは重大なアセス法違反です。専門家や住民の意見が全く取り入れられていない調査はアセス法から見れば無効であり、これをアセスに組み込むことは許されません。事前調査を直ちに中止し、アセス手続きに従って調査をやり直すべきです。


3) その他の意見は以下の通りです。

@ 「環境要素」の中に、事業による社会環境への影響が抜け落ちているので追加すべきです。建設されるのは米軍施設であり、日常的な軍事訓練や多数の兵士が駐留することによる事件・事故の増加、地域の治安の悪化、軍事施設が身近にある精神的影響、地域の経済に与える影響など、社会環境に与える影響は多大であるにもかかわらず、それを取り上げていないのは、地域住民として納得できません。

A「普天間代替施設」という以上は、何をおいてもまず、現在の普天間基地の騒音実態を調査し、そこから代替施設の騒音を予測すべきです。沖縄県や宜野湾市から普天間基地の騒音や、それによる周辺住民の健康被害の実態調査報告が出されているので、それらを精査し、難聴をはじめとする健康被害、低体重児の出生、幼児問題行動の多発など、地元住民が不安を持っている事柄について予測・評価して欲しい。

B 現在でも住民は、米軍機による航空機騒音に、ときには耐え難いほどさらされています。現在の航空機騒音についても方法書に明記してしっかり調査し、新施設の建設によってそれがどう変化するのか、予測・評価すべきです。

C 工事中の建設作業騒音や道路交通騒音についての予測対象時期は、騒音レベルや環境影響が「最大となる時期」となっているのに、施設供用時の航空機騒音や道路交通騒音、低周波音については「施設の供用が定常状態」の時期となっているのは極めて不当であり、納得できません。供用時についても、運行や訓練が「最大となる時期」とすべきです。

D 地元住民として最も心配な、夜間や早朝の騒音についても、特に項目にあげて予測・評価すべきです。
以 上
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