ホーム もどる
2007年 6月16日 テーマ [論評] 新基地建設の調査で環境破壊
    浦島悦子
サンゴを突き刺す調査機材 新基地建設の調査で環境破壊
違法暴行三昧− 新基地建設の先兵として牙をむく海上保安庁
 6月9日、那覇防衛施設局は、辺野古・大浦湾沿岸への新基地建設に向けた事前調査の作業を再開した。

 5月18〜20日、海上自衛隊まで投入して強行した海底への調査機材設置作業(5月25日号本欄で既報)の実態が市民団体の調査で明らかになってきた。5月22日の地元紙朝刊1面に、サンゴ着床器具の支柱が生きたサンゴに突き刺さり、割れている生々しい写真が掲載され、県民に衝撃を与えた。しかし、久間章生防衛大臣は「損傷は少ない」と居直り、調査さえせず「損傷は大規模でない」という閣議決定を行なった。

 サンゴ研究者は着床器具そのものの適切性に疑問を呈し、ジュゴン保護団体は、ジュゴンがリーフ内の海草藻場(餌場)に入ってくる通り道であるクチ(サンゴ礁の切れ目)に設置された水中ビデオカメラは、ジュゴンを追い出すものだと抗議している。環境調査のために環境を破壊する本末転倒。これはもう調査とは言えず、基地建設のためのアリバイ作りにすぎない。

 高まる調査中止の声を一顧だにせず施設局は機材設置作業を再開したのだ。作業は土日にかけて行なわれた。04〜05年にかけてのボーリング調査においては、週末およびジュゴンの採餌時間である夜間には作業しないという前提が守られていたが、環境調査に軍隊まで出す現政権には平時の常識は通用しないらしい。

 今回はさすがに自衛艦までは出なかったが、防衛省と完全に一体化した海上保安庁の横暴な振る舞いは目に余った。住民側の船だけに対する船舶検査は今回も続いたが、さらに乗船名簿の提出まで要求してきた(これには法的根拠がないとして拒否)。海上でも、作業船に指示を出し、住民側を威嚇し、女性船長の操船する小さなゴムボートを2隻の大型ゴムボートで追いかけ回すなど「海の暴走族」そのもの。

 10艇前後の木の葉のようなカヌーと3〜4隻の小型船に対し、海保の巨大巡視船4〜5隻が水平線を占拠し、多数の頑丈なゴムボートが住民側の船を追いかけてリーフ内を走り回る。その異様な光景を目の当たりにして、様子を見に来たという県民の一人は「信じられない!」と絶句した。
(浦島悦子・フリーライター)
この文書は『週刊金曜日』5月25日号に掲載されたものです。
みなさん! 10区の会がめげないよう、 応援をおねがいします。
郵便振替 01730-9-9673 ヘリ基地いらない二見以北10区の会