ホーム もどる
2007年 5月15日 テーマ 軍事基地建設の本性示す
野蛮で暴力的な事前調査強行着手
     執筆 フリーライター/ヘリ基地いらない二見北十区の会協同代表
浦島悦子
 その日、辺野古の海に轟いた雷と激しい風雨は、まさに天の神・海の神の怒りと悲しみのようだった。統一地方選直後の4月24日、那覇防衛施設局はついに、名護市辺野古・大浦湾沿岸への新たな米軍基地(V字形沿岸案)建設に向けた海域での事前調査に強行着手したのだ。環境影響評価(アセスメント)法に違反するこの調査に対して、多くの市民団体や専門家を含む県民から厳しい批判が噴出し、「事前調査中止」の要請が相次ぐ中での強行開始であった。
 事前調査に備えて早朝から辺野古の浜に待機していた住民らは、施設局のチャーター船が出航すると同時にカヌーや船を調査海域に出し、悪天候の中で抗議・阻止行動を展開した。物量作戦に出た施設局側は6つもの船団で住民らを翻弄し、第11管区海上保安庁の大・中型巡視船4隻と多数のゴムボートを総動員して押さえ込もうとした。海が大時化となり、雷・強風・大雨注意報が発令されても作業をやめない施設局に対し、反対住民だけでなく調査ダイバーや職員らの人命をも軽視するものだと非難の声が沸き起こった。それは、戦争のための基地建設の本性を示しているように思えた。
 基地計画自体が、日米の軍事的一体化をめざし、沖縄県民により重い負担を強いる在沖米軍再編の中心であり、県民の強い反対を押し切って日米両政府が強引に進めているものだが、この事前調査なるものはいっそう悪質だ。米国にせかされて建設を急ぐ日本政府が考え出した悪知恵と言うほかない。
 アセス法によれば、事業者(防衛施設局)は、事業(基地建設)が環境にどんな影響を与えるかを調査する方法について書いた「方法書」を作成し、これを公告・縦覧して広く意見を聞き、それらの意見を反映した修正を行なって調査方法を確定したあと、初めて調査に着手できる。それらをすべて飛び越えて勝手に行なう事前調査は、法違反というより法を否定していると言った方がよい。そして、その違法・無法な調査に26億円近い血税を使おうとしている(3月末までに4業者の入札を終えた。調査期間の最長は来年10月まで)のだ。
 防衛省は今回の事前調査で「情報非公開」を貫き、市民団体、マスコミ、沖縄選出の国会議員にさえ調査内容の開示を拒否している。2004〜05年にかけての辺野古沖軍民共用空港のボーリング調査では不充分ながら情報は公開されたが、それが「阻止行動に利用された」から今回は非公開、ということらしい。アセス法は「事業者の説明責任」「意思決定過程の透明化」「住民参加」を求めているが、事前調査はそれを逃れるためのものなのだ。
 施設局は26日までの3日間で「(調査地点の)確認調査」を終えたと発表。 4月28日、名護のヘリ基地反対協議会は辺野古座り込み3周年を期し、事前調査を許さず基地建設を止めるために、米軍キャンプ・シュワブを包囲する「人間の鎖」行動を行なった。あいにくの大雨を吹き飛ばす1000人の熱い思いは、基地の向こうの辺野古・大浦湾の海にまで届いたと思う。
 連休明けの5月7日早朝、海底への調査器具の設置作業が今日にも始まるかもしれない緊迫した空気の中で、辺野古海岸に座り込みテントが再開された。作業は、海底の攪乱や、この海域を主な生息地とする絶滅危惧類ジュゴン、産卵期を迎えたウミガメの追い出しにつながるものだ。
 読者のみなさんにお願いです。現地の状況を多くの人に知らせ、政府・防衛省に調査中止を要請してください。世論こそが力となり状況を切り開きます。
この文章は、”ふぇみん” 2007年5月15日 第2824号に掲載されたものです。
みなさん! 10区の会がめげないよう、 応援をおねがいします。
郵便振替 01730-9-9673 ヘリ基地いらない二見以北10区の会