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2006年 4月15日 「新沿岸案を追い返すまでがんばります」
<10区の会からのメッセージ>
新沿岸案を追い返すまでがんばります

 4月7日夜、額賀福志郎防衛庁長官と島袋吉和名護市長が、米軍普天間飛行場移設問題をめぐって合意した「新沿岸案」は、私たち地元住民に大きな衝撃を与えました。2本の滑走路を字型に設置するという、耳目を疑うアクロバットまがいの決着に唖然とし、激怒したのは私たちだけではなかったでしょう。

 (米軍機の)飛行ルートが陸域(住宅地)にかからないようにという名護市の要請が受け入れられた、その「(政府の)ご配慮に敬意を表する」と語る島袋市長の卑屈な態度は、かつて市民投票で明確な「新基地ノー」の意思を表明した名護市民にとって屈辱そのものでした。

 「沿岸案反対」を選挙公約にして当選した島袋市長は、2月8日の就任後、2ヶ月も経たないうちに自らの公約を破り、市民を裏切ったのです。口では「沿岸案に反対する」と言いながら、政府の求めに応じて何度も上京し、協議を重ねている市長に対して不信を募らせ、政府との協議に応じないよう要請を繰り返していた私たちも、これほどひどい案が出てくるとは思ってもいませんでした。

不安におののく地元住民

 政府は、2本の滑走路を離陸用と着陸用に使い分け、海の上だけを飛ぶようにすると言っていますが、こんな子供だましの説明を信じる人は誰もいません。風向きや気象条件の変化(海の気象は変わりやすい)によって滑走路をどの方向から使うかが決まるのは常識だし、いったん基地が造られてしまえば、たとえどんな使用協定を結ぼうが、米軍がそれを守るはずがないことを、基地被害に苦しめられてきたこれまでの体験から、沖縄県民は骨身にしみて知っているからです。

 2本の滑走路を使って米軍機が地域の空を自由自在に飛び回るようになれば、ここは人の住めない地域になってしまうのではないかと、地元住民は不安を募らせています。墜落を繰り返し欠陥機で悪名高いオスプレイも配備されることになっており、墜落の恐怖や米軍がらみの事件・事故からも逃れられないでしょう。

 また、滑走路が増えることで大浦湾の埋め立て面積が増え、海の破壊がいっそう大規模になることも必至です。大浦湾を漁場として生活の糧を得ている漁民たちは、「こんなものができれば生活できなくなる!」と悲鳴を上げています。

日本政府の卑劣な手段

 地元住民や漁民たちが「最低最悪の案」と呼ぶ「新沿岸案」を名護市長に受け入れさせるために、政府は北部4首長(東村、宜野座村、金武町、恩納村)を同時に上京させ、基地受け入れに伴う「北部振興策」に期待する彼らの合意を取り付けて外堀を埋めました。

 さらに翌8日、沿岸案反対の姿勢を堅持している稲嶺恵一沖縄県知事を東京に呼びつけ、前記5首長を同席させて知事に圧力をかけたのです。沖縄に基地を押しつけるためにはどんな卑劣な手段を弄しても恥じない政府権力と、それに媚びへつらう沖縄のミニ権力者たちの姿は、沖縄の次代を担う子どもたちの眼にどう映っただろうかと、暗澹たる思いを禁じ得ません。

 宜野座村は4月4日、村議会議長を実行委員長に、村をあげて「沿岸案に反対する村民総決起大会」を行ったばかり。その宜野座村長が「村の上空を飛ばさない」という(実現不可能な)条件で受け入れたことに、多くの宜野座村民が怒っています。名護市を含む北部5首長の判断は、大多数の住民意思に反する誤った判断なのです。

市長の公約違反を糾弾

 週明けの10日、名護市役所には朝から、市長の合意に抗議し、撤回を求める多くの市民、県民が詰めかけました。市長は市民の目を避けて登庁せず、代わって応対した末松文信助役に、私(浦島)は思わず、「私たちをだまして、よくもやってくれましたね!」と言ってしまいました。自分の手が、怒りで震えているのがわかりました。助役は、市長の「公約違反」をなじる市民らに対し「公約違反には当たらない」と居直ったものの、「米軍が使用協定を守った例がこれまでにあるのか」と追及されると答に窮し、顔を真っ赤にしてうつむいてしまいました。

 11日夕方には名護市役所前広場で「島袋名護市長の公約違反糾弾! 沿岸案の合意撤回を求める緊急抗議集会」(主催=ヘリ基地反対協/基地の県内移設に反対する県民会議)が開かれ、名護市内外から500人が参加しました。各発言者からは、日本政府の沖縄差別と、それを唯々諾々として受け入れる沖縄の為政者たちへの怒りが表明され、合意案の矛盾が語られ、公約を破った市長リコールの呼びかけ(就任1年間はリコールができないため、その準備に入る)が行われました。

 99年に閣議決定され、岸本前名護市長も稲嶺県知事も受け入れた軍民共用空港案は、圧倒的な「反対」の県民世論、国内・国際世論に支えられた現地でのたたかいによって6年後、ついに断念を余儀なくさせました。今回の新沿岸案も、市民・県民が心を一つにすれば必ず追い返せると、私たちは信じています。何よりも、この地域に、この島にこれから生きていく子どもたちに対する責任として、こんな理不尽を許すわけにいきません。

普天間基地の被害に苦しむ宜野湾市民とともに、沖縄はもちろん、今回の米軍再編に抗する全国の人々とも連携しながら、10区の会は基地を追い出すまでがんばります。どうか、これまでに勝るご支援・ご協力をよろしくお願い申し上げます。

(2006年4月15日)
4月7日夜、額賀福志郎防衛庁長官と島袋吉和名護市長が、米軍普天間飛行場移設問題をめぐって合意した「新沿岸案」(政府資料から)
みなさん! 10区の会がめげないよう、 応援をおねがいします。
郵便振替 01730-9-9673 ヘリ基地いらない二見以北10区の会