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2020年  3月22日 国交大臣裁決取り消し住民訴訟 沖縄地裁が判決を突然延期
国交大臣の裁決取り消し、執行停止住民訴訟
沖縄地裁、判決前日に突然公判の延期決定
−記者会見開き、早期判決求める声明発表ー
 3月18日、「明日の判決期日が取り消された」と突然の連絡に、一瞬、耳を疑いました。私たち辺野古・大浦湾沿岸住民15人が原告となって、沖縄県による埋立承認撤回を国土交通大臣が取り消した「裁決」は違法だと、裁決の取り消しと執行停止(裁決の効力の停止)を求めた訴訟の判決が翌19日に那覇地裁で言い渡される予定だったからです。

 判決期日は3か月前の結審時に決定しており、2日前(16日)に裁判所から出廷予定者の確認も済んでいた中でのドタキャン。弁護団事務局が裁判所に理由を問い合わせましたが「言えない」との返事。折からの新型ウイルスが理由か(それならもっと早く連絡があるはず)と聞いたら、「それも含めて言えない」って、そんなのあり??

 実は16日、最高裁が、国交大臣の裁決を違法だとして沖縄県が地方自治法に基づき「関与取り消し」を求めた訴訟の上告審判決を26日に言い渡すことを決定。17日の地元メディアは「県の敗訴が確定する見通し」と伝えていました。既に出来上がっていたであろう地裁判決の内容に対し、最高裁から地裁の担当裁判官に対し何らかの圧力があったのか? あるいは担当裁判官が最高裁に忖度し、最高裁判決を受けてから判決文を書き直そうと考えたのか? 

 原告団と弁護団は、判決予定日だった19日、抗議の記者会見を行うことを決めました。ところが当日朝になって原告代理人(弁護士)からまた連絡が入り、訴訟の一部、すなわち執行停止に関してのみ決定が出された(開廷はなし。裁決の取り消しに関しては別途、期日を決める)とのこと。これも異例です。

 その内容を見ると、原告15人中、4人について原告適格を認めていることがわかりました。辺野古新基地建設に関して住民側が訴えたこれまでの訴訟はすべて「原告適格なし」の門前払いだったことからすれば画期的です。執行停止については、「重大な損害を避けるための緊急の必要性」はないとして却下していますが、弁護団は、一部ではあれ原告適格を認めたことで「入口」を突破し、実質審理(裁決の違法性の判断)への道を開いたと評価しています。ただ、私たち二見以北の住民としては、辺野古住民の原告適格が認められて、私たちがなぜ認められないのか、納得できず遺憾です。

 記者会見を開いて発した「声明」では、早期に取り消し訴訟の判決を出すよう求めました(詳しくは「声明」の内容をご覧ください)。異例づくめの訴訟の行方に今後ともご注目あれ!!
1 那覇地方裁判所は、辺野古新基地埋立地域周辺に居住する原告らが、公有水面埋立承認撤回処分に対し国土交通大臣がなした裁決取消及び執行停止を求めていた訴訟に関し、執行停止に関する決定を出したものの、取消訴訟の判決については本日指定されていた判決期日を取り消した。
2 同裁判所は、執行停止に関して、申立人15名の内4名については原告適格を認めた上で、重大な損害を避けるため本件裁決の効力を停止する緊急の必要性がないとして、申立人らの申立を却下した。

  同決定が緊急の必要性を認めなかった点は、国による埋立工事強行によって現に申立人らに被害が生じており、申立人らが切迫した状況下に置かれていることについて理解を欠いたものと言わざるを得ず、不当である。

  他方、同決定が、原告適格の判断において、公有水面埋立法4条3号及び4号要件から埋立地の用途による影響を含めて原告適格を認めた点は、従来の裁判例に照らして画期的な側面を含んでいる。すなわち、同決定は、沖縄県が撤回処分の理由として挙げていた1号及び2号のみに限定することなく、3号及び4号の要件を参酌し、埋立行為又は埋立地の用途により、災害又は公害による健康若しくは生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのある者は原告適格を有するとした。そして、申立人3名(辺野古在住)については、埋立地の供用後、環境基準値を相当程度上回る航空機騒音により健康又は生活環境に著しい被害を直接的に受けるおそれがあるとして、申立人1名については、周辺高さ制限に抵触する建築物高を有しており、供用後の航空機運航により災害を直接的に受けるおそれがあるとして、それぞれ原告適格を認めた。その余の申立人について原告適格を認めなかった点は不十分ではあるが、本案の実体判断に入る可能性を認めた点は評価できる。

  なお、同決定は、本件埋立海域を埋め立てるに際しては、軟弱地盤問題が実際に存在していることが公知の事実となっているためこれに伴う設計概要の変更につき沖縄県知事の承認を受ける必要があり、それに際して改めて環境影響評価が実施されるべきことが考慮されなければならないと指摘している。国は、このような裁判所の指摘を真摯に受け止め、今後続行不可能になる可能性のある工事を直ちに中止すべきである。
3 取消訴訟判決の準備はできていただろう中で、那覇地方裁判所が、直前に判決期日を取消し、その理由の説明もしないことは誠に遺憾である。来る3月26日に最高裁判決が予定されており、その影響が想定されるところであるが、仮に、担当裁判官らに何らかの圧力がかかり、本件訴訟の判決日が取り消されたのであれば、憲法が保障する裁判官の独立を害するものと言わざるを得ない。

  担当裁判官には、良心のみに従って、毅然として、早期に取消訴訟の判決を下すよう求めるものである。
2020年3月19日
国の違法を許さない住民の訴訟原告団
同弁護団
みなさん! 10区の会がめげないよう、 応援をおねがいします。
郵便振替 01730-9-9673 ヘリ基地いらない二見以北10区の会