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2010年  5月 2日 日本政府に県民大会決議を届けました
(が、しかし…)
  文・写真 浦島 悦子
日本政府に県民大会決議を届けました (が、しかし…)
 9万人が集まった4.25県民大会から一夜明けた4月26〜27日、大会決議を政府に届ける要請団が上京しました。私たち「ヘリ基地いらない二見以北十区の会」が所属するヘリ基地反対協議会からは、代表委員の安次富浩さん、私(浦島)を含め4人が参加しました。

 26日朝、那覇空港ロビーには、県民大会の共同代表である高嶺善伸・県議会議長、翁長雄志・那覇市長、仲村信正・連合沖縄会長、事務局長の新里米吉県議をはじめ、県民大会で決意表明した伊波洋一・宜野湾市長、稲嶺進・名護市長、島袋俊夫・うるま市長、県議会議員各氏などが次々に到着。代表団は総勢80人、そのうち私たち市民グループ20人は、平和市民連絡会(ヘリ基地反対協もその構成団体)グループとして行動を共にすることになりました。


全国民の問題として

 東京に着くと、羽田空港から国会議員会館へ直行。この日の政府要請先は防衛省と内閣総理大臣および内閣官房長官。それぞれ人数制限があるため、その人数に応じて要請団の中から人員が振り分けられました。防衛省は北澤俊夫大臣が直接対応、平野官房長官にも会えたが鳩山首相には会えなかったようです。

 要請に行く人以外は、民主党の川内博史・近藤昭一衆議院議員、沖縄選出の照屋寛徳・喜納昌吉・糸数慶子の各議員などが呼びかけた「普天間基地問題緊急院内集会」に参加。沖縄からの要請団と国会議員らの意見交換が行われました。呼びかけの文章に「グアム・北マリアナへの移設を求めていきたい」とあるのに、私はちょっと違和感を覚えました。より弱いところに矛盾を押しつけるのは、沖縄が置かれてきた状況と同じだからです。

 沖縄からの要請団は、沖縄の基地の歴史と現状、沖縄戦のこと、県民の思いなどをこもごも語り、普天間基地の県内移設反対を訴えました。私も手を上げて、基地のターゲットとされ翻弄されてきた地元の苦しみや、「移設でなく普天間基地をなくすという原点に戻って欲しい。沖縄の意思は昨日の県民大会ではっきりと示され、もう一歩も引かない。私はグアムや北マリアナに移設して欲しいとは思わないし(沖縄側からの拍手あり)、国内で受け入れるところはないのだから、国会議員のみなさんは日米安保の見直しに取り組んで欲しい」と言いました。

 議員たちは、私たちの話をとても熱心に聞いてはくれましたが、大方が民主党所属ということもあって、「首相は沖縄のことを真剣に考えているので信じて欲しい」「支えて欲しい」という論調に終始しました。鳩山さんは、信じたくても信じられないようなことばかりやっているのに…。

 それでも、オール沖縄の意思表示が、これまでのように沖縄に基地を押しつけておけば安保の問題は考えなくてもいいという状況に風穴を開け、全国民が考えなくてはいけない問題だという認識を浸透させつつあるという手応えは感じました。
衆議員会館での普天間基地問題緊急院内集会(4月26日)
東京で沖縄要請団との連帯集会 

 26日夜には「沖縄県民大会政府要請団と連帯する集会」が神田駿河台の全電通会館で開催されました。会場は熱気にあふれ、どんどん人が増えるので、当初、会場のいちばん前に席を確保してもらっていた私たち要請団は、席を空けるために壇上に上げられました。参加者は600人以上だったそうです。

 つい先日、沖縄現地の思いをわが思いとして国会前で72時間のハンストを終えたばかりの在京沖縄出身者・下地厚さんの司会で集会は進行しました。同じく在京沖縄出身者の上原成信さんは、昨日、沖縄の県民大会と同時進行で行った東京での集会・デモに800人の参加があったことを報告し、「激励ではなく、いっしょにやっていこう」と呼びかけました。東京沖縄県人会の「(国外・県外移設を求める)県議会決議を全面支持する」見解も披露されました。

 政府要請団の代表として翁長雄志・那覇市長が挨拶し、新里米吉事務局長が県民大会の報告を行い、伊波宜野湾市長・稲嶺名護市長・島袋うるま市長がそれぞれ決意表明。続いて各党からの挨拶が行われましたが、自民党や公明党の挨拶を聞きながら、私は隔世の感を覚えました。とりわけ自民党沖縄県連の池間淳(すなお)幹事長が県内移設反対を明確に打ち出し、自分たちは「国外・県外移設へとスタンスを変えた」とはっきり言ったのには感激。彼の発言は会場からの温かい拍手と激励に包まれました。

 また、日本青年団協議会の坪谷事務局長は「沖縄の青年団は、普天間問題を解決しなければ子どもたちの未来がなくなると、糸満から県民大会会場までのタスキリレーを行った。沖縄の基地問題は沖縄だけの問題ではない。ぜひとも全国で考えていきたい。今はその最大の機会だ」と語りました。 
沖縄からの要請団と連帯する東京集会(4月26日)
前原沖縄担当大臣への要請

 翌27日の行動は朝10時、衆議院第二議員会館前での座り込み集会から始まりました。東京の人々を含め100人ほどが、県民大会代表や事務局長、沖縄の各市長といっしょに座り込み、国会議員らも含めた挨拶やアピールを行い、県民大会で配られた沖縄地元紙の号外を道行く人に手渡しました。

 この日の要請先は、アメリカ大使館(ルーク政務担当公使が対応)と外務省(岡田克也外務大臣)および前原誠司・沖縄担当大臣の3ヵ所。私は前原大臣への要請を担当する10人の中の一人に割り当てられました。私以外は、高嶺議長をはじめ、ほとんど県議や市議たち。自民党の池間淳さんもいっしょでした。

 前日、政府が辺野古修正案=杭打ち案(杭式桟橋工法)を検討しているとの報道が流れ、かつて葬り去られた案を今頃持ち出してくる非常識にみんな怒っていましたが、待ち時間に池間さんは、この案を「(埋立てより)環境への影響が少ないと言うけど、とんでもない。サンゴは壊すし、杭の錆止めの薬品が海を汚染する。費用も埋立ての3倍かかる」と、痛烈に批判していました。
国会議員会館前での座り込み集会(4月27日)
座り込み集会で発言する稲嶺進・名護市長。国会議事堂をバックに撮りました。(4月27日)
 前原大臣への要請は、高嶺議長と池間さんを中心に、県民大会決議を読み上げ、県民の総意であることを強調して渡したあと、一人ずつ意見を述べました。私は「移設問題に翻弄されてきた地元住民として、民主党政権に期待したが裏切られた思いだ。辺野古修正案が取り沙汰されているが、また海に出てつらい思いをしなければならないのか」と訴えました。

 前原さんは「(県民大会で示された)県民の思いはしっかり受け止めたい」「国会議員16年の間に私も普天間基地の危険性を訴えてきた。普天間の危険除去と沖縄の負担軽減はどうしてもやらなければならない。同時に安全保障も必要だ」。杭打ち案については「まったく知らない。報道で聞いて驚いている」とのこと。「沖縄県民を弄んでいるつもりは毛頭ない。鳩山さんの思いは、沖縄の負担軽減だ」

 要請団は「県内移設はしないという答をいただきたい」と迫りましたが、前原さんは「どういう案にまとめていくのか検討中なので、それ以上は言えない。申し訳ない」と頭を下げました。最後に私が「5月末に決着しなくてもいい。もう少し待ってもいいから、いい結果を出して欲しい」と言うと、「いい意見を言っていただいてありがとう」と彼は言いました。

 午後からの座り込みは雨天のため中止となったので、要請行動に行かなかった人たちは手分けして、沖縄から持ってきた26日付の『琉球新報』『沖縄タイムス』両紙(県民大会を報じたもの)のセットを、衆参全議員700人余の居室に配りました。自民党の反応がとてもよかったそうです。

 各要請先から全員が戻ってきた午後5時過ぎから総括集会が開かれ、それぞれの要請報告が行われました。鳩山首相以外の閣僚には全員会えたが、どの大臣の発言も「県民大会は重く受け止める」「普天間の危険性除去と沖縄の負担軽減をめざしている」「日米安保堅持」の三点で一致していることがわかりました。

 アメリカ大使館では、ルーク公使の「現行案がベターであり、それは沖縄県民の利益のためだ」という発言に反論したことが報告されました。

 最後に高嶺議長が「壁は確かに高いが、この壁を乗り越えてこそ沖縄の未来が開ける」と要請団を激励し、「これからもがんばっていこう」と、みんなで拳を上げて解散。2日間が1週間にも感じられた濃密な行動でした。
前原大臣要請の待ち時間に、県議のみなさんと(4月27日)
前原沖縄担当大臣へ大会決議を手交(4月27日)
鳩山首相は正気なの?

 結果はどうあれ、やれるだけのことはやったと、充実した思いもあったのに、帰沖した翌28日の報道で、それはあっという間に叩き潰されてしまいました。徳之島へのヘリ部隊移転と辺野古修正案(杭打ち方式)をセットで米国と最終調整しており、それを県知事に説明するため、5月4日に鳩山首相が来沖するとのこと。

 「いい加減にしろ!」と思わず叫びそうになりました。県民大会であれほどしっかり県民の意思を示したわずか3日後。どこまで沖縄をバカにしているのか! わざわざ東京まで行った要請団には会わず、閣僚に適当にあしらわせておいて、その間にそんな「調整」をやっていたのかと思うと、怒りで煮えくりかえりそうです。

 それにしても、鳩山首相は本気でそんな案が実現可能だと思っているのかと不思議でなりません。かつてのリーフ上案が住民らの海上阻止行動で断念に追い込まれたことを、どう思っているのでしょうか。もし、強行すれば今度は、前回をはるかに超える海の行動が展開されるのは間違いありません。沖縄県民の気持ちにこれだけ無知な人が「沖縄のことを真剣に考えている」ですって??

 それとも、提案し説得したがダメでしたと、アメリカに言い訳するためのパフォーマンス? 鳩山政権の閣僚たちの支離滅裂な言動が沖縄のあちこちに火を点け、県民を一つにする結果をもたらしたことを思えば、これも鳩山さんの高等戦術ではないかという気がしたりもするのだけれど…、まさかや〜〜??

 
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