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2009年  8月10日 十区の意見も聴取してください。
沖縄県環境影響評価審査会に要請書を提出しました。
十区の会の意見も聴取してください!
十区の会の意見も聴取してください!
沖縄県環境影響評価審査会に要請文提出しました。
キャンプ・シュワブ沿岸新基地建設の環境アセスが沖縄県の審査段階にあります。8月11日に開催予定の沖縄県環境影響評価審査会では地元意見の聴取が行なわれます。私たち十区の会からも地元住民として意見の聴取を行なってほしいと、審査会に要請文と意見書を提出しました。

応援のほどよろしくお願い致します。
2009年8月5日
沖縄県環境影響評価審査会 会長・津嘉山正光 様
沖縄県文化環境部環境政策課 課長・安富雅之 様
ヘリ基地いらない二見以北十区の会
(共同代表/浦島悦子・渡具知智佳子)
要  請
 日頃より沖縄の環境保全のためにご尽力いただき、感謝申し上げます。

 私たち「ヘリ基地いらない二見以北十区の会」は、普天間飛行場代替施設建設予定地である名護市東海岸二見以北十区の住民で構成する住民団体です。1997年10月、地域住民の生活環境および自然環境を破壊し、子どもたちの未来を閉ざす基地建設に反対するために結成され、以来12年近く、一貫して地元住民の反対の声を発信し続けてきた立場から、沖縄県環境影響評価審査会および沖縄県に対し、以下のことを要請いたします。
1) 普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価準備書に関する審査会において、当会の意見を聴取してください。(別紙意見書を添付いたします。)


その理由:次回の審査会で、二見以北十区の代表として同区長会(会長=瀬嵩区長)より意見聴取が行われると聞いております。当会の発足当時、各区の区長は当会の幹事として反対運動の先頭に立っていましたが、「アメとムチ」と形容されるさまざまな動きの中で反対運動から距離を置くようになり、現在の区長会は条件付賛成の立場で動いています。しかしこれは、大多数の住民の意思に反するものです。多くの住民は現在も反対の意思を持ち続け、区長会の動きに反感や危機感を持ちながらも、地縁・血縁の濃さから口に出せずにいるのが実情です。

 したがって、区長会の意見は地域の一部の意見であり、地域全体を代表するものではありません。



2) 準備書に関する沖縄県主催の公聴会を開催してください。


その理由:事業者である沖縄防衛局による地域説明会が名護市久志支所(瀬嵩在)で行われましたが、それは住民の疑問や不安に応えるものとはほど遠く、単なるアリバイ作りとしか思えないものでした。事業者に任せていては住民の疑問や不安は増すばかりです。沖縄県が主体となって公聴会を開き、充分な質疑と論議の場を提供してくださるようお願い申し上げます。
同時に以下の意見書を添付しました。
2009年8月5日
沖縄県環境影響評価審査会
    会長・津嘉山正光 様
ヘリ基地いらない二見以北十区の会
(共同代表/浦島悦子・渡具知智佳子)
審査会への意見書
 普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価準備書に関する真摯で厳正な審査を行っていただいていることに、心からの敬意と感謝を表します。

 私たちは、同事業の対象地域である名護市東海岸二見以北十区の住民で構成する住民団体です。1997年、私たちの地域に降って湧いた新たな米軍基地建設に反対し、地域住民の暮らしと子どもたちの未来を守ろうと、同年10月に結成され、以降、今日まで12年近く、一貫して反対の声をあげ続けてきました。

 現在、沖縄防衛局によって進められている環境影響評価(アセス)の手続きは、私たち住民にとってとうてい納得できないものです。以下、今回の準備書を含むアセス手続きについての疑問や意見を申し述べます。審査会におかれましては、それらを含めて今後の審査を行ってくださいますよう、お願い申し上げます。


<1>事業者は説明責任を果たしていない 

 1997年12月の名護市民投票において、当時の計画であった「撤去可能な海上ヘリポート」に対し、那覇防衛施設局(現・沖縄防衛局)をはじめとする政府の硬軟取り混ぜた前代未聞の圧力にもかかわらず、名護市民の過半数が反対の意思を明確にした。それに代わって打ち出された「辺野古沖軍民共用空港」は地元住民をはじめ県民・国民のねばり強い反対行動、反対世論によって頓挫し、見直しを余儀なくされた。現在のV字形沿岸計画について、私たち地元住民をはじめ名護市民は一度も事業者から意思を問われたことはないが、世論調査では常に反対がはるかに上回っている。

 普天間代替施設建設計画が持ち上がってから12年以上が経過した現在まで建設できていないという事実は、この計画が民意に支持されていないことを示している。「合意形成のツール」というアセス法の精神にのっとり、事業者は、住民・市民の反対を押し切ってまで建設することについての説明責任を果たすべきである。


<2>なぜ、あえて、辺野古・大浦湾海域なのか?

 事業者には、事業予定地域及び海域の特性についての認識が決定的に欠けている。

 辺野古・大浦湾海域は、絶滅に瀕した日本のジュゴンの最後に残された生息域であり、その環境の劣化は近い将来の絶滅につながる可能性がきわめて大きい。同海域はまた、沖縄島東海岸のサンゴや海草藻場の種苗供給地となっていることが専門家から指摘されており、沖縄県の「自然環境保全指針」においても、厳正に保全すべき「評価ランク1」に分類されている。海域と地域住民との関わりも深く、「海の畑」「天然の銀行」として生活圏の一部となっている。陸域には、その海の恵みで生きてきた先人たちの遺跡、埋蔵文化財がたくさんある。

 このように、もっとも保全すべき場所にあえて事業を行なう必要性と、評価・保全の基準や目標がまったく示されておらず、その基準や目標を達成できない場合のゼロ・オプション(事業を白紙に戻す選択肢)がないことはきわめて不当である。


<3>人と自然との関係のとらえ方が根本的に間違っている

 本アセスにおいて、「人と自然との触れ合いの活動の場」として観光施設やレクリエーション施設のみがあげられているのは見識を疑う。これらはすべて人工物であり、ここで、本来の意味での人と自然との触れ合いができるとは思われない。また、海岸線の利用についても、海水浴やキャンプ、釣りなど、いわば非日常の使用についてしか書いてなく、私たちは休みのとき、あるいは遊びに行くときしか自然と触れ合わないのだろうかという疑問をぬぐえない。

 すなわち、「自然」あるいは「人と自然との関係」のとらえ方が根本的に間違っており、このような間違った認識で環境影響評価が行なわれることは地域住民としてとうてい納得がいかない。

 地域住民は太古の昔から、海や山の自然の中で、自然の恵みに支えられて生産し、生活し、遊んできた。自然は外在的に触れ合うものではなく、地域住民の生きる基盤そのものである。自然を離れて私たちは一日も暮らしていくことはできず、自然との触れ合い(関係)は日常的なものである。

 歴史的な人と自然との関わりについては地域誌である『辺野古誌』(辺野古区発行)や『久志誌』(久志区発行)、『嘉陽誌』(嘉陽区発行)にも詳しく書かれている。地域の伝統行事における山や海との関わりも極めて深く、海・山を含む自然が人々の精神的な支えになっていることがわかる。

 また「景観」は、単なる景色ではなく、地域住民の精神を育むものであり、それが変化したり破壊されることによる精神的影響は多大である。

 このような人と自然との密接で日常的な関係が事業によってどんな影響を受けるのか、という私たち地域住民にとってのもっとも切実な関心事(私たちは生活基盤が破壊され、この地域に住めなくなるのではないかという不安に怯えている)が、まるで些末的なことであるかのように扱われていることはきわめて不適切であり、根本的に見直すべきである。


<4>社会環境への影響が抜け落ちている

 「環境要素」の中に、事業による社会環境への影響が抜け落ちている。建設されるのは米軍施設であり、日常的な軍事訓練や多数の兵士が駐留することによる事件・事故の増加、地域の治安の悪化、軍事施設が身近にある精神的影響、地域の経済に与える影響など、社会環境に与える影響は多大であるにもかかわらず、それを取り上げていないのは、地域住民として納得できない。


<5>施設の供用(飛行経路・機種・護岸・騒音等)について

 普天間飛行場がそうであるように、その代替施設は当然のことながら訓練基地である。「標準飛行経路」が示され、ヘリは海側だけしか飛ばないかのように図示されているが、地域住民をはじめ、およそ沖縄に住んでいる者でそれを信じる者はいない。海の上しか飛ばないのでは訓練にならないことは子どもでもわかる。私たち地域住民は、普天間基地の実態がそうであるように、もし代替施設ができれば、米軍機は縦横無尽、自由自在に私たちの頭上を飛び回り、ヘリの騒音、軍用機の爆音、墜落の危険に日常的にさらされるだろうという不安を持っている。米軍と協定を結んでも、これまでそれが守られた例はなく、今後も守られることはないであろう。代替施設の安全基準に日本の法令は適用されず、米軍の基準で行われることを防衛局も認めている。

 普天間飛行場およびその代替施設にオスプレイが配備されることを米軍が明言しているのに、日本政府=防衛局は隠し続けている。オスプレイが配備された場合のアセスを行うべきである。

 準備書において、係船機能付護岸の建設が追加されたことは、代替施設の軍港化の不安をいっそう掻き立てる。

 「普天間代替施設」という以上は、何をおいてもまず、現在の普天間基地の騒音実態を調査し、そこから代替施設の騒音を予測すべきである。沖縄県や宜野湾市から普天間基地の騒音や、それによる周辺住民の健康被害の実態調査報告が出されているので、それらを精査し、難聴をはじめとする健康被害、低体重児の出生、幼児問題行動の多発など、地元住民が不安を持っている事柄について予測・評価すべきである。
 
 以上のように、施設の供用に関する準備書の記述は、子どもでも騙されないほど稚拙であり、地域住民の不安に何一つ答えていないばかりか、住民を愚弄するものである。


<6>縦覧場所、説明会の不当性について

 方法書の段階で、県内・国内の主要箇所でも縦覧を行うよう要請したにもかかわらず、準備書の縦覧場所は、方法書と同じく沖縄県内の5ヶ所のみであり、まったく改善されなかった。私たちは、建設予定地域にある名護市役所久志支所でも縦覧を行うよう、そこに住む住民として要請したが、入れられなかった。

 また、説明会はできるだけ多くの場所で、それぞれ複数回行うよう要請したが、建設予定地域の3ヶ所のみ、各1回のみの開催であった。その内容も、膨大な内容を1時間で説明し、わずか20分の質疑時間しか予定されておらず、多くの手が上がっているのに強引に打ち切るなど、住民の疑問、懸念や不安に誠意を持って答えるという姿勢にはほど遠く、単なるアリバイ作りとしか思えないものであった。

 これらのどれをとっても、市民・住民との合意形成のツールという環境影響評価法の精神に反しており、きわめて不当である。


<7>手続きをやり直すべきである

 2008年1〜3月に出された「追加修正資料」によって、当初の方法書にはほとんど書かれていなかった事業内容が明らかになった。それは、自然環境や生活環境に著しい影響を与えるものであるにもかかわらず、私たち住民はそれに対する意見を述べる機会を与えられないまま、準備書へと手続きが進んだ。

 方法書によらない事前調査=環境現況調査に莫大な血税を使い、海上自衛隊まで投入して強行した。この違法な事前調査の結果を準備書の中に取り込むことはきわめて不当である。

 現在、キャンプ・シュワブ内で兵舎建設工事が行われている。これは飛行場建設に伴う兵舎移転であるにもかかわらず、環境影響評価の対象にせず工事が行われているのはきわめて不当であり、すぐに中止してアセスを行うべきである。

 準備書には、方法書にも追加修正資料にもなかった事業内容がさらに追加されている。このような後出しは、住民を騙し、かつ、今後さらに新しい内容が追加されるのではないかという不安と不信を与えるものである。

 準備書提出後にも「自主調査」と称する海域の環境調査が続行されている。複数年調査を求めた知事意見をないがしろにし、ひたすら建設を急ぐためにアセス法の枠外で「追加調査」を行うのはきわめて不当である。追加調査によって準備書と異なる結果が出た場合はどうなるのだろうか?
 
 以上のいずれもが、本アセスの手続きが違法かつ不当なものであることを示しており、もう一度手続きの最初に立ち戻り、方法書からやり直すべきである。なお、その際、事業実施区域の自然環境の重要性に鑑みて、ゼロオプション=事業を行わない選択を含めるべきことは言うまでもない。


<8>方法書に対する意見と事業者の見解について

 方法書に対する市民からの意見に対する事業者の見解には、誠実さがまったく見られず、意見に対する答になっていない。名護市民投票によって市民の過半数が反対の意思を明らかにした事業を、世界的にも貴重な自然環境を壊してまで、なぜ行わなければならないのかという根本的な問い、疑問に事業者は誠実に答えるべきである。初めから「建設ありき」で、市民の意見をないがしろにする姿勢は、環境影響評価法の精神を著しく阻害するものである。


<9>埋立土砂採取に関するアセスについて

 埋立に使われる土砂約1900万立方メートルのうち約1700万立方メートルの調達については「現段階において確定していない」というが、沖縄県の2006年度海砂採取量の12倍以上に及ぶ膨大な量をどこから調達するのか。他府県では砂採取の総量規制が行われていることを考えれば、県内調達となるのではないかと、海砂採取の被害を既に受けている地域住民としては非常に不安である。単に隠しているだけではないかという不信感も生まれる。

 200万立方メートルの土砂採取についてはアセスを行っているのに、その8倍以上の土砂採取についてアセスを行わないのは不可解である。現段階で確定していないのなら、確定した段階で環境影響評価を行うべきである。海砂の採取は、地域住民に大きな被害をもたらすだけでなく、沿岸域の浅海の砂地にあるジュゴンの餌場を消失あるいは攪乱させ、沿岸生態系に多大な影響を及ぼすことから、これに関するアセスを行わないうちに計画を先へ進めてはならない。


<10>評価の不当性について

 どの項目も判で押したように「事業者の実行可能な範囲でできる限り回避・低減が図られているものと評価しました」と記述されていることに、住民説明会でも失笑が漏れていた。「実行可能な範囲」とはどんな範囲なのか、「できる限り」の内容を示さなければ何も語っていないに等しく、住民を愚弄するものである。

 現場の調査員は真摯に調査していることが4500頁もの調査報告から見て取れるが、それが、わずか31頁の総合評価で「影響は総じて少ない」と結論づけられている。調査結果では環境への影響が指摘されているにもかかわらず、評価においては、影響は「少ない」「ない」と強引に結論づけるやり方は、たとえどんな調査をしようと結論は最初から決まっている、という印象を強く与え、環境影響評価法への不信を生み、あるいは助長するものである。法治国家の政府機関の一つである防衛局(省)が自ら、法をないがしろにし、形骸化させることは許されない。


<最後に、どうしてもお伝えしたいこと>

 結成当初、過疎化・高齢化の著しい二見以北の現状につけ込むように持ち込まれた基地建設計画に対し、各区の区長を先頭に基地反対のデモ行進を行い、各区で反対決議を上げるなど、地域ぐるみの運動を展開していた当会は、長期にわたる運動の疲れや生活への支障に加え、遅れていた公民館・学校・医療施設などが防衛省予算で改築あるいは建設され、「地域振興補助金」なるものが各区に支給される中で、区長などの地域有力者たちが口をつぐみ、条件付賛成へと誘導されるにつれて、ものの言えない重苦しい雰囲気が地域を包むようになり、会の活動への参加が減っていることは否めない事実です。

 しかしながら、それは住民の意識が基地賛成へと変化したことを意味するものではありません。防衛省に振興策を要請しに行った十区の区長たちは、当会の抗議に対して「基地にはもちろん反対だが、いくら反対しても国は作る。その場合の担保として要請するのだ」と言わざるをえませんでした。ある区長は「子どもたちの未来を金で売るのか!」という区民の激しい抗議に遭いました。

 貧しくとも(あるいは貧しかったがゆえに)助け合う中で育まれてきた親密な人間関係は、陰に陽にかけられてくるさまざまな圧力によって軋み、引き裂かれ、カネという魔物によって地域の共同性がじわじわと蝕まれていくのを、私たちはこの12年間、目の当たりにしてきました。その悔しさ、無念さをどう表現すればいいでしょうか…。地縁・血縁の濃い地域事情の中でお互いの顔色をうかがい、本心を語れない苦しみを抱え、人々の心は幾重にも引き裂かれたまま、基地が建設されたらどうなるのだろうという不安におののいています。  

 この12年間に過疎化はますます進み、十区にあった4つの小学校はこの4月から1校に統合されました。基地はそれが建設されない前から、きわめて重篤な悪影響を既に与えていること、私たちを12年間も苦しめてきたこの重圧から一日も早く解放されたいと住民は悲鳴にも似た思いで願っていることを、審査会委員のみなさま方にも是非ご理解いただきたいと願っております。
みなさん! 10区の会がめげないよう、 応援をおねがいします。
郵便振替 01730-9-9673 ヘリ基地いらない二見以北10区の会